不動産価格とは、具体的市場取引の視点からその不動産の価値にまつわる様々な要素が畳み込まれ抽象化した貨幣価値に表現されたもので、ヒトの脳が抽出する感質を含めた商品としての不動産の特徴量だと言い換えることができる。

デジタルクオリア(以下：DQ)は、VRからその特徴量を抽出して512個の数値として表現したもので、DQが組み込まれた検索システムにはその不動産価値にまつわる質感を含めた様々な要素が畳み込まれている。

従来のDBには、価格や広さ、住所や設備名という物理的条件としての定量的データのみがあり、DQには質感という定性を表す数字がある。これら二つを合わせて利用することで実質的クオリアが形作られ、具体的市場取引の視点で不動産の価値にまつわる様々な要素が畳み込まれたデータのオブジェクト、即ち、DQとなる。

これにより、不特定多数に向けたポータルのリスティングサービスにはじまり、収益性管理などの物件管理に欠かせない分析作業の軸にその物件の「質」が加えられる。こうして今までのコンピューティング体験を向上させ、さらにVR体験と合わさることで新しい次元のコンピューティングが現れる。これが不動産DXを推し進め、DXとして社会の豊かさの新しい基盤を形づくってゆくことになる。そしてこれが、AI革命時代におけるメタバースでのマネタイズを実現する第一先行事例となるだろう。

以下に物件検索での活用を具体例で指し示す。先に記した定量データとしての物件情報DBにDQを加えることで、「○○エリア付近で、賃料○○円くらいで、さっき見たこの物件と雰囲気が似ている他の物件はありますか？」というような問いかけに応えられる検索システムが実現できます。これが新しい検索UIであり、ここにVRを加えることで探索するメタバースとなる。